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Kiss 2 You
東方神起 2U/スキカップルの小説ブログです。 妄想と捏造で出来ています。
雪流し 3


病院と言っても庭の敷地はプライベートなスペースだから、不法侵入には違いない。少し悩んだ挙句、あの日のように飛ばされた帽子を拾うために已むなしに入ったように見せようと、生垣の向こうめがけて帽子を投げてみた。
診療時間外なのか玄関扉の磨り硝子の向こう側は薄暗く、見咎められる惧れもなさそうなことに少し安堵して、庭の奥へ進むと、雪の中にあの日と同じ薄水色の韓服が見え、僕の心はどうしようもなくざわついた。

どう声を掛けようか、逆上せた頭ではうまい言葉が浮かばず、代わりに僕は大袈裟に雪をきしきしと踏みしめてみた。そうすると彼女はびっくりしたように振り向いて、「父さん、鳥が、」と呟いた。
・・・父さん?逆光でこちらの様子が見えにくいのだろうか、父親と人違いをしているらしい彼女の誤解を解こうにも、互いに名前すら知らないのでどうしたものかと必死で言葉を探した割に、口をついて出るのはいつもまとまりのない言葉ばかりで我ながら厭になる。

「いえ、あの、僕は・・・」

それでも声を聞くと、父親ではないことに気づいたのか、彼女は少し思案気な表情を浮かべたあと「あっ」と声をあげて僕に駆け寄り、加減を知らないようにそのままの勢いで向かってくるのに気おされた僕は結局雪の中に尻餅をついた。そんな僕に彼女は構いもせず、僕の傍にしゃがみこむと、顔を点検でもするかのように間近に覗きこんだ。

「あのときの、学生さん、」
「あ、はい・・・」
「良かった・・・待ってた」
「待ってた・・・?僕を?」

彼女は胸がじくじくするような眼差しで僕を見て、にこりと微笑む。

「うん・・・だって、此処に来るのはいつもヒヨドリとかメジロとかばっかりなんだもん」
「ヒヨドリと・・・メジロ・・・」
「うん」
「見て、あそこにも」

彼女が指さす先を見ると、そこにいたのは鳥ではなく僕が先刻投げた帽子だった。

「え・・・?あ、ああ~・・・まずいな、あんなところに・・・」

帽子は生憎椿の木の上に着地しており、背伸びをしても手が届きそうにもない。やむを得ず目に付いた竹箒で帽子付近の枝をはたくように揺すると、雪や帽子と一緒に椿の花が一つ、ころりと地面に落ちた。
鮮やかな緋色の椿の花を、彼女の漆のように黒い髪に飾ったら、さぞきれいだろうと僕は思ったけれど、彼女は帽子と椿を拾うと、帽子の中に花の塊を入れて、羽根つきでもするようにぽんぽんとはじいて遊んでいた。


(つづく)


とうとう春から下の子が幼稚園~~~心配しかありませんが、ちょこちょこ準備を始めています。男の子グッズは女の子ほどテンションあがらず、1個何か作っては自分や娘用に花柄やリボン・レースの小物をムダに作る日々です。幼稚園で針仕事好きなママ友できればいいけどな~・・・(=゚ω゚=)

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[2016/03/02 01:33] | 雪流し | トラックバック(0) | コメント(2) |
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コメント
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[2016/03/03 14:25] | # [ 編集 ]
ヒ**さん☆

あと1か月で入園なんて…もう、この子ダメな子なんですって言って既に休ませたい気分です、朝起きたときも私がベッドにいないと大泣きするくらい、べったりなんで汗

ポケモンまだテレビでやってますよ~でも人気が妖怪ウォッチに移ってきてるのかな?絵本カバンははらぺこあおむしにしました…いや、何か男の子柄の中では輝いて見えたんです。あおむしの歌も好きで(私が)、もうすっかり最初から最後まで歌えるようになりました(私が)♪

レイさんは不思議ちゃんキャラなんですか?タオくんよりはるかにしっかりとした受け答えができているように見えますが…(コラ)
ちなSMにも不信感ありますけど個人的に中国人にも不信感あるので意外とどっこいどっこいなんじゃない?なんて思っててスミマセン笑
[2016/03/04 00:05] URL | yuri #- [ 編集 ]
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